今回は、これまで以上に親御さんに読んでいただきたい内容です。
特に、親子関係について悩まれている方に対
するお話になります。ただこのお話も、信じる方のみ信じていただけたら結構ですし、必要ないと思われた方は無視してください。

親子ほど難しい関係はないかもしれません。
4~5歳児の第一次反抗期,中学高校あたりの第二次反抗期を筆頭に、子供が成人してからでも20代,30代,40代,50代…と、その時期ならではの難しさというものがあります。
多分誰もが、常に何らかの親子関係の悩みを抱えているのではないでしょうか。

私は、塾の講師の仕事をするようになってから実に様々な親御さんと接してきました。
そして、お子さん自身の勉強のできるできないは少し置いておいて、明らかに健全に育っているお子さんは、その親御さんたちに共通したところがあることを知りました。
一方で逆もまた然りで、いろいろ問題を抱えていると言われる親御さんたちにも、共通したところがあります。
細かい統計こそ取ってはいませんが、私のこれまでの出会いから得た経験であり、それなりに自信を持って言えることですので、ぜひ参考にしていただければと思います。

 親が人生を楽しんでいる方は、子供も健全に育つ」

 これに尽きます。

それが旅行であったりスポーツであったり趣味であったり何でも構いません。
どんな出来事やトラブルがあっても、それ以上に熱中する「何か」がある親は、面談等でお話していても底抜けに明るく、我が子のことをいい意味で深刻に考えていません。こちらが心配しちゃうほどです。

そういったお子さんは、勉強に対する過度な期待をされていないため、本人自身が勉強をそれほど重要視しませんし、もし勉強ができなくても、できないことへの劣等感があまり現れません。
熱中する「何か」を見つけ、人生を楽しんでいる親を常に見ているため、「自分も楽しもう!」と思うようです。

人生を楽しむために勉強が避けて通れないときは、勝手に勉強を始めます。

「将来の夢や目標を叶えるために、勉強が必要」と理解したときに、勝手に勉強を始めるわけです。

また、「親に甘えることができない」「親はこんなんやけど自分はしっかりしな!」「本当に勉強しなくていいんだろうか?」等の、いい意味での反面教師として、勉強を勝手にするようになるお子さんもおられます。

彼らは、自分で勉強すると決めたため、「勉強が嫌だ」等の負の感情がなくなります。

「なりたい自分になるための手段の1つとしての勉強」という位置づけをするため、受験では恐ろしいほどの集中力と吸収力を持ち、さらに奇跡まで引き寄せる結果を、これまでに何度も見させていただきました。

逆に陥りやすいのは、「子供を最優先に考え行動してしまう親」。
不思議なことですが、なぜかどんどん悪化していく傾向がある感じが、これまでの経験上感じます。
おそらく、「子供のためだから仕方ない」という無理した親の思いが、敏感な子供に伝わるのでしょう。

 「子供を最優先に考えるのが楽しい」なら、大丈夫なのです。

 「子供を最優先に考えなければならない」と思うとダメなのです。

また、「子供に嫌な経験はさせたくない」という思いから、親が行動を限定してしまう失敗例も多くみられます。
よく言われる支援の例えですが、「魚を釣ってあげるのではなく、魚の釣り方を教えてあげる」ことが必要かと。
つまり、「子供のために親が動く」ことは、もしかしたら、子供自身の人生にとって必要な経験を、親が強制的に排除してしまう行為かもしれないのです。

少し変な話になりますが、我々人間が生きる理由の1つは「経験するため」です。
なので、それを子供から奪ってしまったらダメなのです。
さらに、生きる理由のもう1つは「楽しむ」ことです。親は子供への手本として、自分の人生を楽しんでいるところを見せないとダメなのです。

「生きていると楽しいよ!」「大人になると楽しいよ!」「仕事って楽しいよ!」こんな親を間近に見て育ってきたお子さんを想像してください。悪くなるわけないでしょ?

「あなたのためを思って言ってるの!」「あなたのことを期待しているからこれだけのことをしているのよ!」この時点で、言われ続けてきたお子さんがどうなるのかも、容易に想像できますよね!

お子さんのことをあれこれ言う前に、まずは自分がどれだけ人生を楽しんでいるか考えてみてはいかがでしょうか?