いきなりですが、当塾のある生徒をご紹介します。

少し前、ある生徒が入塾しました。そして、お母さまとの話し合いの末に、目的の1つとして「自習に来る」という項目をあげたため、本人は授業以外で自習に頻繁に来るようになりました。
ただし、本人がやる気を持ってきているのではなく、親に無理やり来させられているという状況でしたので、来塾してもろくにカバンも開けなかったり、場合によっては何もせず寝て帰ることもありました。
正直、まともに自習していた時の方が少なかったのではないでしょうか。

ある日、いつも通り授業前1時間自習をしに来ました。
その日は実は、私は少し用事があり、自習はお断りしようか悩んでいたのですが、何となくO.K.を出しました。

そのようなことは知りもせず、本人はいつも通り来て、いつも通り集中なく動き回っていながら何となしの自習をしていましたが、偶然「あるもの」に出会い、そこから数学の方程式を集中して解くようになりました。
そのときの「できた!」という生徒の表情は非常に眩しく、輝いていたのを、私は強い印象として受けました。

ここでまず、文章中に出てきた「あるもの」についてはお答えしません。
なぜなら、お母さまとの面談中に私はすでに伝えていたからです。そして、その「あるもの」は誰にでも効果のあるものではないからです。
今回重要視したいのは別のことです。上記の文章の流れを見て、なぜこの塾生は「あるもの」出会えることができたのでしょうか? この答えを述べていきたいと思います。

 私は高校生のときから、近所の子や部活の後輩に勉強を教えてきました。
また、大人になってからは集団や個別で、偏差値70程度の子から30未満の子まで、様々な塾生を教えてきました。
さらに、10社ほどの塾に勤務することによって、各塾で成績の上がり具合が違うことも見てきました。今回の塾生もそうですが、勉強の成績を上げる第1歩目があります。

 非常に簡単です。一言で言えます。単純で核心に触れたことです。

「行動を変える」

これに尽きます。

 どういうことか説明します。

 今の自分の状況や立ち位置は、今までの自分の行動の積み重ねの結果なのです。その自分の行動を変えれば、いつもと違った結果が得られるのは当然のことです。

 そのための手段がいろいろとあるだけの話で、例えば、

 ・「勉強ができないから、今まで行っていなかった塾に初めて行く」という行為は、自分の行為をがらりと変えることなので、成績にももちろん反映される可能性が高いです。

 ・「この塾に行っていても成績が上がらないから、他の塾に代わる」という行為は、他の塾に行く行為は変わりますが、塾に行く行為自体は変わらないので、成績に反映される可能性は、上記より低くなります。

 ・「先生の言うことを素直に聞く」行為は、自分の思いと違った行動をするということなので、成績が上がる可能性は非常に高いです。

逆に言えば、

 ・「我が強い」人は非常に成績が上がりにくいです。

 ・「他人のせいにする」「他人の悪口を言う」「不平や不満を言う」人は、非常に成績が上がりにくいです。細かく言えば、成績は上がっているのですが自分の理想とはかけ離れているために、「上がっていない」と思い込んでしまい、結果的に上がりにくくなります。

 勉強の出来は、個人の「能力」に関係します。「能力」とは「経験」で相当得られることができます。
勉強ができないのは、どこかで分からない箇所があり、それをできないままにしてきた結果であり、その積み重ねで勉強のできない今の自分があるのです。

「行動を変える」ことは、とどのつまり「自分を変える」ことであり、「考え方を変える」ことにつながります。しかし、いきなり自分を変えたり考え方を変えるのは容易ではありません。

 まずは行動しましょう!

 次回は、「行動する基準やタイミングと、チャンス」について述べていきます。